古賀 毅 原著論文 (2009年度)

Tsuyoshi Koga, Fumihiko Tanaka, and Isamu Kaneda
“Stress Growth in Transient Polymer Networks under Startup Shear Flow”
Progress in Colloid and Polymer Science, Vol. 136, 39-45 (2009)
【概要】テレケリック会合高分子が形成する物理架橋ネットワークにおける剪断開始流下での応力成長を非アフィン組み替え網目理論を用いて研究した.ブリッジ鎖の非線形伸長効果により歪硬化現象が起こることを示し,歪硬化が起こる臨界剪断速度を張力・伸長関係における非線形性を表すパラメータの関数として求めた.また,応力成長関数がストレスオーバーシュートを示す時間を剪断速度の関数として計算し,オーバーシュートは変形量が一定になる時間で起こることを示した.理論結果をHEUR(Hydrophobically modified Ethoxylated URethane)の水溶液の実験結果と比較し,両者がよく一致することを示した.詳細な比較の結果,低剪断速度では両者は定量的に一致するが,高剪断領域では,オーバーシュートを示す時間に2倍程度の差があることが分かった.この相違は,実験に用いたサンプルに含まれる短い(分子量が小さい)鎖の効果により説明できることが分かった.(古賀毅:理論計算,田中文彦:理論構築/研究全体の総括,金田勇:レオロジー実験)
Tsuyoshi Koga, Fumihiko Tanaka, Isamu Kaneda, and Françoise M. Winnik
“Stress Buildup under Start-Up Shear Flows in Self-Assembled Transient Networks of Telechelic Associating Polymers”
Langmuir, Vol. 25, 8626-8638 (2009)
【概要】テレケリック会合高分子水溶液中で形成されるネットワークにおける剪断開始流下での応力成長を非アフィン組み替え網目理論を用いて研究した.歪硬化やストレスオーバーシュート現象を,弾性的に有効な鎖の張力・伸長関係における非線形性との関係に注目して,詳しく研究した.歪硬化が起こる臨界剪断速度を張力・伸長関係における非線形性を表すパラメータの関数として求めた.また,応力成長関数がストレスオーバーシュートを示す時間を分子パラメータや剪断速度の関数として計算し,オーバーシュートは総変形量一定の条件で起こることを示した.第1,第2法線応力差の時間発展も数値計算により研究し,オーバーシュート,アンダーシュート,符号反転を示すことを見い出した.これらの理論結果をHEUR(Hydrophobically modified Ethoxylated URethane)の水溶液の実験結果と比較し,両者がよく一致することを示した.(古賀毅:理論計算,田中文彦:理論構築/研究全体の総括,金田勇:レオロジー実験)
tag_iconTags: | | 2009/10/29