柴山充弘 総説解説 (2010年度)

柴山充弘
“中性子散乱で観た高強力ゲルの構造”
高分子, Vol. 59, 701-704 (2010)
【概要】近年,次々と高強力ゲルが開発されている。中性子散乱は,そうしたゲルの優れた物性の発現メカニズムを解明する有力な手段の一つである。溶媒に重水素化溶媒を用いることで容易に散乱コントラストをつけることができるので,ゲル中での高分子網目の振る舞いをさまざまな環境で観察することができる。躍進するゲルの中性子散乱研究を展望する。
Mitsuhiro Shibayama, Noboru Osaka
“Presssure- and Temperature-Induced Phase Separation Transition in Homopolymer, Block Copolymer, and Protein in Water”
Macromol. Symp., Vol. 291-292, 115-121 (2010)
【概要】3つの高分子系、ホモポリマー、ブロックコポリマー、タンパク質溶液、の相挙動に及ぼす温度および圧力の効果について小角中性子散乱により研究した。ブロックコポリマー、タンパク質溶液においては巨視的相分離に加え、ミクロ相分離が観測された。高圧下では疎水性相互作用由来のミクロ相分離が抑制され、溶媒の選択性が低下することが分かった。これらを疎水性相互作用の圧力依存性の観点から議論した。
柴山充弘
“小角中性子散乱によるナノ構造解析”
RADIOISOTOPES, Vol. 59, 395-403 (2010)
【概要】高分子、ミセル、ゲルなどのソフトマターと呼ばれる物質や生物学、金属学の分野における構造解析において中性子小角散乱の役割は大きい。なぜ中性子散乱がこうした物質の構造解析に有効であり、どのようなところで実験ができ、その結果、どのような成果が出てきているのか、また出しうるのかについて解説した。
松永拓郎、柴山充弘
“ダイヤモンド格子状構造をもつ高分子ゲルの構造とダイナミクス”
機能材料, Vol. 30, 6-13 (2010)
【概要】近年、高力学強度を誇る様々なゲルが開発されている。なかでも、東大鄭・酒井らにより開発されたTetra-PEGゲルは、均一ネットワーク構造を目指して開発され、その優れた力学特性により多くの注目を集める材料である。本稿では、Tetra-PEGゲルの“巨視的な物性”と“ナノオーダーにおける構造とそのダイナミクス”の関係について述べた。
tag_iconTags: | | 2010/11/22