戸田昭彦 原著論文(2010年度)
Hiroshi Kajioka, Kouji Yamada, Ken Taguchi, and Akihiko Toda
“Molecular Weight Dependence of Growth and Morphology of It-Poly(butene-1) Spherulites”
Polymer, Vol. 52, 2051-2058 (2011)
【概要】ポリブテン1およびそのブレンド物の球晶成長機構・形態形成の分子量依存性について,AFM,偏光顕微鏡法を用いて検討した。球晶を構成する微結晶の成長先端における幅と,球晶を特徴付ける相関長は,共に強い分子量依存性を示した。この結果は,球晶形成を引き起こす微結晶分岐が成長先端に形成された物質移動場の勾配による不安定性で起こることを意味する。ブレンド物の分子量依存性は,相分離や排除も考慮した実効平均分子量で決まる。(田中晋平:議論,助言)
“Molecular Weight Dependence of Growth and Morphology of It-Poly(butene-1) Spherulites”
Polymer, Vol. 52, 2051-2058 (2011)
【概要】ポリブテン1およびそのブレンド物の球晶成長機構・形態形成の分子量依存性について,AFM,偏光顕微鏡法を用いて検討した。球晶を構成する微結晶の成長先端における幅と,球晶を特徴付ける相関長は,共に強い分子量依存性を示した。この結果は,球晶形成を引き起こす微結晶分岐が成長先端に形成された物質移動場の勾配による不安定性で起こることを意味する。ブレンド物の分子量依存性は,相分離や排除も考慮した実効平均分子量で決まる。(田中晋平:議論,助言)
K. Yamada, H. Kajioka, K. Nozaki, and A. Toda
“Morphology and Growth of Single Crystals of Isotactic Polypropylene from the Melt”
J. Macromo. Sci. Part B, Vol. 50, 236-247 (2011)
【概要】ポリプロピレン溶融体からの結晶化について,光学顕微鏡に加え,結晶化-急冷後の溶媒による抽出により,原子間力顕微鏡法での単結晶モルフォロジーの直接観察を行った。従来,成長キネティクスのクロスオーバー型転移が見られていた温度領域で,単結晶の晶相が短冊状から菱形へと系統的に変化し,転移に伴い想定された成長界面のラフニングは生じなかった。すなわち,従来からの解釈の再考を要する結果が得られた。
“Morphology and Growth of Single Crystals of Isotactic Polypropylene from the Melt”
J. Macromo. Sci. Part B, Vol. 50, 236-247 (2011)
【概要】ポリプロピレン溶融体からの結晶化について,光学顕微鏡に加え,結晶化-急冷後の溶媒による抽出により,原子間力顕微鏡法での単結晶モルフォロジーの直接観察を行った。従来,成長キネティクスのクロスオーバー型転移が見られていた温度領域で,単結晶の晶相が短冊状から菱形へと系統的に変化し,転移に伴い想定された成長界面のラフニングは生じなかった。すなわち,従来からの解釈の再考を要する結果が得られた。
Y. Ren, A. Ma, J. Li, X. Jiang, Y. Ma, A. Toda, and W. Hu
“Melting of Polymer Single Crystals Studied by Dynamic Monte Carlo Simulations”
Euro. Phys. J. E, Vol. 33, 189-202 (2010)
【概要】高分子の結晶化・融解過程では,テーパー形状の成長先端が多くの計算機実験により報告されており,高分子結晶化特有のキネティクスが議論されている。本報告では,動的モンテカルロシミュレーションにより,融解キネティクスの律速過程を検討した。その結果,通常の融解過程では想定できない活性化障壁の存在が計算機実験によって初めて確認された。結晶化・融解両過程に共通する活性化障壁の存在が強く示唆された。
“Melting of Polymer Single Crystals Studied by Dynamic Monte Carlo Simulations”
Euro. Phys. J. E, Vol. 33, 189-202 (2010)
【概要】高分子の結晶化・融解過程では,テーパー形状の成長先端が多くの計算機実験により報告されており,高分子結晶化特有のキネティクスが議論されている。本報告では,動的モンテカルロシミュレーションにより,融解キネティクスの律速過程を検討した。その結果,通常の融解過程では想定できない活性化障壁の存在が計算機実験によって初めて確認された。結晶化・融解両過程に共通する活性化障壁の存在が強く示唆された。
M. Maruyama, Y. Sakamoto, K. Nozaki, T. Yamamoto, H. Kajioka, A. Toda, and K. Yamada
“Kinetic Study of the II-I Phase Transition of Isotactic Polybutene-1”
Polymer, Vol. 51, 5532-5538 (2010)
【概要】ポリブテン1相転移時のX線回折強度その場測定を行った。Avramiモデルによりキネティクスを解析し,1程度の指数を得,核形成による1次のキネティクスと結論した。温度の低下に伴い,1以下の指数(引き延ばされた指数関数型)となり,特性時間の温度依存性がVogel-Fulcher型となった。ガラス転移点近傍における相転移キネティクスは非晶部の不均質性と動的性質に強く影響されると結論した。
“Kinetic Study of the II-I Phase Transition of Isotactic Polybutene-1”
Polymer, Vol. 51, 5532-5538 (2010)
【概要】ポリブテン1相転移時のX線回折強度その場測定を行った。Avramiモデルによりキネティクスを解析し,1程度の指数を得,核形成による1次のキネティクスと結論した。温度の低下に伴い,1以下の指数(引き延ばされた指数関数型)となり,特性時間の温度依存性がVogel-Fulcher型となった。ガラス転移点近傍における相転移キネティクスは非晶部の不均質性と動的性質に強く影響されると結論した。
Hiroshi Kajioka, Shigeru Yoshimoto, Ken Taguchi, and Akihiko Toda
“Morphology and Crystallization Kinetics of it-Polystyrene Spherulites ”
Macromolecules, Vol. 43, 3837-3843 (2010)
【概要】非バンド球晶をつくるitポリスチレンの結晶化について,ガラス転移温度(Tg)近傍までに渡る広い温度範囲において,球晶内部構造,球晶構成要素であるラメラ晶サイズ,結晶成長速度の間の相関を実験的に検討した。低分子系のTg近傍では,回転拡散と並進拡散のデカップルにより成長速度が粘度の温度依存性によりスケールされなくなることが知られている。本研究により,球晶内部構造,ラメラ晶サイズはTg近傍においても粘度の温度依存性によりスケールされていることが明らかになった。(田中晋平,山崎義弘,谷口貴志,田中肇:議論,助言)
“Morphology and Crystallization Kinetics of it-Polystyrene Spherulites ”
Macromolecules, Vol. 43, 3837-3843 (2010)
【概要】非バンド球晶をつくるitポリスチレンの結晶化について,ガラス転移温度(Tg)近傍までに渡る広い温度範囲において,球晶内部構造,球晶構成要素であるラメラ晶サイズ,結晶成長速度の間の相関を実験的に検討した。低分子系のTg近傍では,回転拡散と並進拡散のデカップルにより成長速度が粘度の温度依存性によりスケールされなくなることが知られている。本研究により,球晶内部構造,ラメラ晶サイズはTg近傍においても粘度の温度依存性によりスケールされていることが明らかになった。(田中晋平,山崎義弘,谷口貴志,田中肇:議論,助言)
Hiroshi Kajioka, Shigeru Yoshimoto, Ratan C. Gosh, Ken Taguchi, Shinpei Tanaka, and Akihiko Toda
“Microbeam X-ray diffraction of Non-Banded Polymer Spherulites of it-Polystyrene and it-Poly(butene-1) ”
Polymer, Vol. 51, 1837-1844 (2010)
【概要】サブミクロンサイズに絞られたマイクロビームX線による広角回折像のパターン変化により,itポリブテン1およびポリスチレン非バンド球晶内の微結晶の局所配向相関を明らかにした。得られた結果は我々がこれまで偏光顕微鏡像の解釈から想定していた非バンド球晶における微結晶配向の相関を支持している。
“Microbeam X-ray diffraction of Non-Banded Polymer Spherulites of it-Polystyrene and it-Poly(butene-1) ”
Polymer, Vol. 51, 1837-1844 (2010)
【概要】サブミクロンサイズに絞られたマイクロビームX線による広角回折像のパターン変化により,itポリブテン1およびポリスチレン非バンド球晶内の微結晶の局所配向相関を明らかにした。得られた結果は我々がこれまで偏光顕微鏡像の解釈から想定していた非バンド球晶における微結晶配向の相関を支持している。
