谷口貴志 原著論文(2010年度)

Takashi Taniguchi, Miho Yanagisawa and Masayuki Imai
“Numerical investigations of the dynamics of two-component vesicles”
Journal of Physics: Condensed Matter, in press
【概要】二成分ベシクルの膜変形と膜内相分離のダイナミクスを調べた研究である。球面上での相分離のドメイン成長に対して次の3つの効果、(i)濃度揺らぎの効果、(ii)流体力学効果、(iii)組成依存膜弾性係数がどのような影響を及ぼすかを報告した。また膜変形が起こる場合、二成分ベシクルでは膜変形と相分離が膜の曲げ弾性係数を通して非常に強いが結合が生じることがわかった。そして実験で以前に報告されていた”Shape Convergence”という現象を再現し、その機構を明らかにした。(今井正幸:実験研究)
Miho Yanagisawa, Masayuki Imai, and Takashi Taniguchi
“Periodic Modulation of Tubular Vesicles Induced by Phase Separation”
Phys. Rev. E, Vol. 82, 051928-1 – 051928-9 (2010)
【概要】3成分チューブ状ベシクルがLo-Ld 相への相分離する時に呈する形態変形についての研究を行った。相分離後、チューブ状ベシクルは、Lo相の面積分率に応じて2つの典型的な形状へ変形することが分かった。1つは、2つの平坦部にLo相がドメインを作った円盤形状のユニットがネックレス状につながった形であり、もう1つは長軸方向に周期的に円環状のストライプを形成するチューブ状ベシクルへの変形である。この特徴的な変形について、共同研究者として理論的な考察を行った(今井正幸:実験研究)
Ryohei Komuro, Koji Kobayashi, Takashi Taniguchi, Masataka Sugimoto, and Kiyohito Koyama
“Wall Slip and Melt-Fracture of Polystyrene Melts in Capillary Flow”
Polymer, Vol. 51, 2221-2228 (2010)
【概要】ポリスチレンメルトの不安定流動挙動をキャピラリレオメータを用いて調べた論文である。ポリスチレンには分子量の違う3つのサンプルを用い温度と分子量の効果を調べた。まず、キャピラリーレオメータの壁面近傍での流体のスリップ速度をMooney法と修正Mooney法により見積った。そして、スリップ速度は温度と共に増加すること、その応力以上でスリップが発生する臨界スリップ応力は温度と共に減少することが分かった。
Yu Mizuochi, Takashi Taniguchi, Masataka Sugimoto, and Kiyohito Koyama
“Electric Field Induced Surface Profile Change of Liquid Film on a Periodically Aligned Electrode Array ”
Journal of the Society of Rheology, Japan, Vol. 38, 81-86 (2010)
【概要】平行に周期的に並べられた電極の上に置かれた誘電性液体の表面形状が電場印加によりどのように変化するかを調べた研究である。その結果、液体フィルムの表面は電極列の周期性に応じて変形され、正極と負極の間で表面が盛り上がり、一方、電極上の中心付近では液体フィルムが凹むことが分かった。凹凸のできた表面の高さの差は界面位置での電場強度の二乗に比例することが分かった。
Shotaro Nishitsuji, Mikihito Takenaka, and Takashi Taniguchi
“Computer Simulation Study On The Shear-Induced Phase Separation In Semi-Dilute Polymer Solution By Using Ianniruberto-Marrucci Model”
Polymer, Vol. 51, 1853-1860 (2010)
【概要】溶液の粘弾性特性を表わす構成方程式としてIanniruberto-Marrucciモデルを用い、準希薄高分子溶液におけるせん断流動誘起相分離のダイナミクスをDoi-Onuki理論に基づく数値計算により調べた研究である。この数値計算スキームは、以前の著者らの研究において既に発表したもので、せん断流動印加による流動誘起構造を効率よく数値計算することが可能である。
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