Hiromitsu Kawada, Takuji Kume, Takuro Matsunaga, Hidetaka Iwai, Tomohiko Sano, and Mitsuhiro Shibayama
“Structure and Rheology of a Self-Standing Nanoemulsion”
Langmuir, Vol. 26, 2430-2437 (2010)
【概要】高圧乳化法によりナノメーターオーダーのオイルドロップレットからなるナノエマルションを作成した。このナノエマルションは溶質濃度が低いにもかかわらず流動性を持たない。小角中性子散乱で研究したところ、半径約17nmの球状粒子が規則構造をもっていた。また動的光散乱からは協同拡散も観測された。これらから非流動性は結晶様な微細構造に起因すると結論づけた。
Shyamal Kumar Kundu, Masaru Yoshida, and Mitsuhiro Shibayama
“Effect of Salt Content on the Rheological Properties of Hydrogel Based on Oligomeric Electrolyte”
J. Phys. Chem. B, Vol. 114, 1541-1547 (2010)
【概要】電解質オリゴマーゲル化剤からなるハイドロゲルのゲルの堅さ、およびせん断破壊後のゲル回復挙動における塩の効果を動的光散乱とレオロジー測定により研究した。塩添加により、ゾルーゲル温度は上昇し、salting-in効果が観測された。その一方で、塩添加によりゲルは脆くなった。
Yuki Akagi,Takuro Matsunaga, Mitsuhiro Shibayama, Ung-il Chung, and Takamasa Sakai
“Evaluation of Topological Defects in Tetra-PEG Gels”
Macromolecules, Vol. 43, 488-493 (2010)
【概要】4つの腕をもつマクロマーの末端交差架橋によって得られるテトラPEGゲルの網目欠陥について研究した。弾性有効網目鎖EECを弾性率、およびMiller-Macoskoモデルに基づく反応率から見積もったところ、EEC濃度はアフィンモデルとファントムモデルから予想される値の間にあることがわかった。また絡み合いやループの割合は無視できるほどに小さいことがわかった。
Takuya Suzuki, Noboru Osaka, Hitoshi Endo, Mitsuhiro Shibayama, Yuko Ikeda, Hanako Asai, Norihito Higashitani, Yota Kokubo, and Shinzo Kohjiya
“Nonuniformity in Cross-Linked Natural Rubber as Revealed by Contrast-Variation Small-Angle Neutron Scattering”
Macromolecules, Vol. 43, 1556-1563 (2010)
【概要】架橋天然ゴムの微細構造の架橋剤濃度依存性をコントラスト変調中性子散乱により研究した。架橋剤としてはジクミルペルオキシドを用いた。架橋ゴムを重水素化トルエンで膨潤することにより架橋不均一性を顕在化させ(膨潤可視化法)、不均一性ドメインの大きさや天然ゴムに含まれるタンパク質由来凝集構造の定量化を行った。
Noboru Osaka, Mitsuhiro Shibayama, Tatsuya Kikuchi, and Osamu Yamamuro
“Quasi-Elastic Neutron Scattering Study on Water and Polymer Dynamics in Thermo/Pressure Sensitive Polymer Solutions”
J. Phys. Chem. B, Vol. 113, 12870-12876 (2009)
【概要】準弾性中性子散乱、動的光散乱を用いて、濃厚水溶液中におけるポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPA)の水和状態を温度および圧力の関数として研究した。水の拡散係数は、PNIPAの下限臨界共溶温度(LCST)以下では、圧力と共に増大し、以上では、逆に圧力とともに低下した。これより、LCSTでの拡散係数の跳びは圧力と共に減少することが分かった。これらの知見をもとに水和の圧力依存性を議論した。
Koichi Mayumi, Michihiro Nagao, Hitoshi Endo, Noboru Osaka, Mitsuhiro Shibayama, and Kohzo Ito
“Dynamics of Polyrotaxane Investigated by Neutron Spin Echo”
Physica B, Vol. 404, 2600-2602 (2009)
【概要】分子ネックレスとして知られるポリロタキサンのダイナミクスを中性子スピンエコー法により研究した。環状分子であるシクロデキストリンが包摂されることにより軸分子のポリエチレングリコールのダイナミクスが遅くなることを観測した。この現象を包摂による軸高分子のstiffeningで説明することができた。(柴山充弘、遠藤仁:中性子散乱実験)
Toshihiko Nishida, Hitoshi Endo, Noboru Osaka, Huan-jun Li, Kazutoshi Haraguchi, and Mitsuhiro Shibayama
“Deformation Mechanism of Nanocomposite Gels Studied by Contrast Variation Small-angle Neutron Scattering”
PHYSICAL REVIEW E., Vol. 80, 030801-1 – 030801-4 (2009)
【概要】コントラスト変調中性子散乱法を初めて異方性散乱パターンの解析に応用し、ナノコンポジットゲルの変形機構の研究を行った。クレイおよび高分子鎖のそれぞれの部分散乱関数に加え、それらの交差項の部分散乱関数を評価した。その結果、延伸に伴って、クレイの配向、高分子の配向・延伸挙動が起こるだけでなく、クレイ表面に吸着した高分子鎖の剥離がナノコンポジットゲルの変形挙動に重要な役割をしていることが分かった。
Takuro Matsunaga, Takamasa Sakai, Yuki Akagi, Ung-il Chung, and Mitsuhiro Shibayama
“SANS and SLS Studies on Tetra-Arm PEG Gels in As-prepared and Swollen States”
Macromolecules, Vol. 42, 6245-6252 (2009)
【概要】非常に優れた力学物性をもつポリエチレングリコールからなるモデル高分子網目を調製し、その構造を小角中性子散乱により解析した。従来にない均一なゲル構造が観測され、膨潤によっても不均一性の発現はみられなかった。また、異なる分子量から調製したゲルの散乱関数に換算則が成立し、自己相似的構造であることが確認された。
Koichi Mayumi, Hitoshi Endo, Noboru Osaka, Hideaki Yokoyama, Michihiro Nagao, Mitsuhiro Shibayama, and Kohzo Ito
“Mechanically Interlocked Structure of Polyrotaxane Investigated by Contrast Variation Small-Angle Neutron Scattering”
Macromolecules, Vol. 42, 6327-6329 (2009)
【概要】コントラスト変調中性子散乱法により、機械的にロックされたポリロタキサンの構造研究を行った。通常の水素化ポリエチレングリコール(h-PEG)に加え、重水素化PEG(d-PEG)を対象に、溶媒のh-DMSO/d-DMSOの組成を変化させ、軸高分子PEG、環状化合物シクロデキストリン のそれぞれの部分散乱関数を(CD)分離評価した。これにより、CDはPEG鎖上に均一に分布していることなどが分かった。(柴山充弘、遠藤仁:中性子散乱実験)
Shyamal Kumar Kundu, Shin Yagihara, Masaru Yoshida, and Mitsuhiro Shibayama
“Microwave Dielectric Study of an Oligomeric Electrolyte Gelator by Time Domain Reflectometry”
J. Phys. Chem. B, Vol. 113, 10112-10116 (2009)
【概要】オリゴマー性電解質ゲル化剤、poly[pyridinium-1,4-diyliminocarbonyl-1,4-phenylene-methylene chloride] (1-Cl)のダイナミクスをマイクロ波誘電測定により研究した。水分子の配向に関連しあt誘電分散および吸収スペクトルはCole-Cole式によって表すことができた。緩和強度の濃度依存性に不連続性が観察され、これがゲルの不均一性、相分離と関係があることが示唆された。
Mitsuhiro Shibayama, Takuro Matsunaga, and Michihiro Nagao
“Evaluation of Incoherent Scattering Intensity by Transmission and Sample Thickness”
J. Appl. Cryst., Vol. 42, 621-628 (2009)
【概要】水素含有化合物を含む試料の小角中性子散乱実験において常に問題となる非干渉性散乱強度の評価法を議論した。非干渉性散乱強度が多重散乱に起因することを理論的に導き、非干渉性散乱強度が試料厚みおよび透過率の関数として簡単に評価できることを示した。
Noboru Osaka,Hitoshi Endo, Toshihiko Nishida, Takuya Suzuki, Huan-jun Li, Kazutoshi Haraguchi, and Mitsuhiro Shibayama
“Microphase Separation in Nanocomposite Gels”
Phys. Rev. E, Vol. 79, 060801-1 – 060801-4 (2009)
【概要】N-イソプロピルアクリルアミドとクレイからなるナノコンポジットの温度誘起ミクロ相分離をコントラスト変調小角中性子散乱(CV-SANS)と動的光散乱により研究した。CV-SANSにより、ミクロ相分離はポリマー相でのみ起こり、クレイの相対位置関係や配向には影響しないことなどがわかった。また。クレイ濃度により相分離の波長を制御できることが分かった。
Takuya Suzuki, Mitsuhiro Shibayama, Kazuhiro Hatano, and Masahiko Ishii
“[NCO]/[OH] and Acryl-polyol Concentration Dependence of the Gelation Process and the Microstructure Analysis of Polyurethane Resin by dynamic light scattering”
Polymer, Vol. 50, 2503-2509 (2009)
【概要】ポリウレタン樹脂のゲル化過程における[NCO]/[OH]およびアクリルポリオール依存性の研究を動的光散乱によって行った。その結果、ゾルゲル転移はサイトボンドパーコレーション理論で説明出来ること、散乱不均一性はゲル化点から徐々に増大すること、ゲル化点では[NCO]/[OH]比の増加に伴い協同拡散成分が増大することなどがわかった。
Takuya Suzuki, Hitoshi Endo, Noboru Osaka, and Mitsuhiro Shibayama
“Dynamics and Microstructure Analysis of N-Isopropylacrylamide/Silica Hybrid Gels”
Langmuir, Vol. 25, 8824-8832 (2009)
【概要】N-イソプロピルアクリルアミドとシリカからなるハイブリッドゲルのゲル化過程と力学的性質の力学測定、動的光散乱、およびコントラスト変調小角中性子散乱により研究した。3つのことなるシリカ粒子を用いてハイブリッドゲルのゲル化機構を調べたところ、シリカ粒子の凝集とアクリルアミドのゲル化の競争的反応により、構造や力学的性質に顕著な差が現れた。
Soichiro Matsunaga, Takuro Matsunaga, Kunihiko Iwamoto,Taro Yamada, Mitsuhiro Shibayama, Maki Kawai, and Toshihide Kobayashi
“Visualization of Phospholipid Particle Fusion Induced by Duramycin”
Langmuir, Vol. 25, 8200-8207 (2009)
【概要】ナノメーターサイズのリン脂質粒子を走査型トンネル顕微鏡(STM)で可視化した。in situSTM観察により、8nm程度の個々の粒子が観測でい、DLSで求めた懸濁液中での粒径と比較した。その結果、STMによりナノメーターサイズのリン脂質粒子のin situ観察が可能であることが示された。
Yuko Ikeda, Norihito Higashitani, Kensuke Hijikata, Yota Kokubo, Yuichi Morita, Mitsuhiro Shibayama, Noboru Osaka, Takuya Suzuki, Hitoshi Endo, and Shinzo Kohjiya
“Vulcanization: New Focus on a Traditional Technology by Small-Angle Neutron Scattering”
Macromolecules, Vol. 42, 2741-2748 (2009)
【概要】ゴム製造において最も重要な架橋構造の制御の研究を小角中性子散乱により行った。架橋剤や架橋助剤の分量によって生成するゴムの構造、特に不均質性がどのように変化するかを中性子散乱膨潤可視化法により詳しく解析し、それぞれの試薬の役割を解明した。
Mitsuhiro Shibayama
“Structure Investigation of Super-Tough Polymer Gels by Small-Angle Neutron Scattering”
J. Phys. Soc. Jpn., Vol. 78, 041008-1 – 041008-7 (2009)
【概要】さまざまなタイプの高強力高分子ゲルの構造解析を小角中性子散乱によって行った。高強力ゲルに共通して見られる特徴として、ゲルに不可避的に現れる凍結した不均一性が殆どないことが小角散乱データの解析によって明らかとなった。これらの実験事実に基づき、構造と物性の相関について詳しく議論した。