“屈曲型液晶-棒状液晶混合系におけるナノ相分離構造とそのダイナミクス”
月刊 機能材料, Vol. 30, 56-62 (2010)
【概要】屈曲型液晶は不斉炭素を有しないにもかかわらず巨視的にキラルな性質が現れる相を示す。この屈曲型液晶と棒状ネマチック液晶分子からなる二成分混合系で安定に出現するキラル液晶構造に関して、これまでの研究成果を踏まえつつ最近の動的光散乱測定による結果を示し、そこから結論づけた系のダイナミクスと液晶―液晶ナノ相分離構造に関して報告する。
太田隆夫
“ソフトマターダイナミクス”
ながれ, Vol. 29, 1-6 (2010)
【概要】ソフトマターとは分子が自己集合してメゾスコピックスケールの構造が形成される流体である。それを特徴づける概念として「構造」、「流動」、そして「輸送」が挙げられる。物理学の研究対象として何が面白いのか、重要なのか、未解決問題は何かなどを最近の研究を紹介しながら解説した。(佐野グループの最近の研究も紹介)
太田隆夫
“複合系としてのソフトマター”
高分子, Vol. 59, 1-1 (2010)
【概要】特集「ソフトマターと新しい潮流」の素描執筆を担当した。(伊藤耕三氏が編集委員のひとりであり、今井正幸、田中晋平、松山明彦、藤井修治、佐野雅己氏が執筆している。)
佐野雅己
“高分子による非平衡状態の枯渇効果”
高分子, Vol. 59, 490-491 (2010)
【概要】高分子とコロイド粒子からなる系に温度勾配をかけると平衡状態におけるエントロピー力である枯渇効果が粒子の周りに流体の流れを誘起し、反作用としてコロイド粒子が温度勾配に逆らって輸送される現象が発見された。本解説は、その原因を非平衡枯渇効果として平易に説明したものである。
山本潤,西山伊佐
“液晶秩序と対称性―スメクチックブルー相―”
液晶, Vol. 12, 167-174 (2009)
【概要】同一の化学構造を基本とする、カイラル低分子液晶のモノマーとダイマーの混合系をデザインして研究を行った。結果、2つの液晶秩序の発現により局所的には空間対称性が破られているにもかかわらず、巨視的には完全に球対称な等方性を自発的に回復して、全方向に均一な構造色を呈する等方性スメクチックブルー相を発見した。
多辺由佳
“水分子駆動によるキラル液晶モーター”
生物物理誌, Vol. 50, 30-31 (2010)
【概要】キラル液晶単分子膜が、水分子の透過によって集団で一方向回転をする現象を紹介した。
佐野雅己,鈴木量,村山能宏
“ジェルのダンス-加振による複雑液体の対流現象-”
日本物理学会誌, Vol. 64, 767-772 (2009)
【概要】非ニュートン流体における特異な不安定現象について述べ、その一例として、粘弾性流体や粘塑性流体を加振させた時に見られる新規な対流ロール構造の生成とそのメカニズムに関して概説した。(物理学会の表紙に写真が掲載された。)
戸田 昭彦
“高分子の結晶化”
成形加工,Vol. 20, 78-83 (2008)
【概要】分子鎖が折り畳まれて結晶化する結晶性高分子について,その結晶化様式の発見以来の理解のされ方について,問題点も含めて解説した。
戸田 昭彦
“高分子結晶の3次元形態:単結晶と球晶”
繊維と工業,Vol. 63, 395-400 (2007)
【概要】結晶性高分子における結晶・非晶の積層構造が織りなす多彩な高次構造について,折りたたみ鎖単結晶の立体形に始まり,単結晶が分岐を繰り返してつくられる高次構造である球晶の構造形成機構に至るまで,立体形とは何か,またその意味するところはどのように解釈されるのかという観点から解説した。
A. Toda
“Polymer Ringed Spherulites: PCL blended with PVB and SAN”
高分子,Vol. 56, 733-733 (2007)
【概要】成長界面不安定性とラメラ晶に内在する歪みのカップリングにより,ラメラ晶の分岐と捻れが同時に引き起こされるとする立場に立ち,高分子リング球晶の形成機構にアプローチし,PEやPVDFでは,期待される関係が成立していることを実験的に明らかにしてきた。今回の報告では,ブレンドすることでリング縞が変化することが知られている脂肪族ポリエステルについて,期待される関係および分子量依存性について検討した。
多辺由佳
“光で走る液晶の配向波”
高分子, Vol. 56, 514-514 (2007)
【概要】アゾベンゼン液晶単分子膜に直線偏向光を照射した時に見られる配向の波について、特徴と起源を紹介した。
昌子浩登,太田隆夫
“3次元チューリングパターン”
数理科学, Vol. 535, 39-44 (2008)
【概要】3次元チューリングパターンでは立方対称性をもつ共連結構造が安定に存在できることを数値シミュレーションで確認した。
戸田昭彦
“最近の熱流束DSCの発展”
熱測定, Vol. 33, 211-216 (2006)
【概要】熱流束型走査熱量計での近年の測定系の発展に伴い,解析解が求まる理想的な系だけでなく,数値解しか得られない熱系にまで定量的な解析の対象が広がりつつある状況について総説した。