Category : 瀧口金吾G

瀧口金吾 原著論文 (2008年度)

Yohko Tanaka-Takiguchi, Makoto Kinoshita, and Kingo Takiguchi
“Septin-Mediated Uniform Bracing of Phospholipid Membranes”
Current Biology, Vol. 19, 140-145 (2009)
【概要】膜のダイナミックスが活発な脳から得たセプチン画分を巨大リポソームに作用させて生じる変化をリアルタイムイメージングすることによって、セプチンが強力な膜突起誘導活性を持つことを明らかにした。セプチンは、細胞内で膜が活発に変形しているところに局在していることは知られていたが、具体的な機能については全く不明だった。本研究によって、セプチンが生体膜の形態形成に積極的に関与し変形を促していることが示された。(Makoto Kinoshita:試料作成、変異体作成、論文執筆、研究計画・デザインなど、Tamiki Umeda:観察された膜変形現象について、現在シミュレーション中)
Kingo Takiguchi, Ayako Yamada, Makiko Negishi, Yohko Tanaka-Takiguchi, and Kenichi Yoshikawa
“Entrapping Desired Amounts of Actin Filaments and Molecular Motor Proteins in Giant Liposomes”
Langmuir, Vol. 24, 11323-11326 (2008)
【概要】アクチンと分子モーターミオシンは真核生物に必要なあらゆる力の発現に働く自己組織性を持つ蛋白質である。本論文では、両者を同時に組込んだ巨大リポソームを作成することにより、複雑な細胞の形態形成や運動の仕組みを分子レベルで理解するためのモデル細胞系の構築に成功した。

梅田民樹 原著論文 (2008年度)

Tamiki Umeda, Takehiko Inaba, Akihiko Ishijima, Kingo Takiguchi, and Hirokazu Hotani
“Formation and Maintenance of Tubular Membrane Projections: Experiments and Numerical Calculations”
Biosystems, Vol. 93, 115-119 (2008)
【概要】巨大リポソーム中に封入された2個のビーズをレーザーピンセットで操作することにより膜に力を加えると,リポソームがレモン型に変形した後,形態の不連続転移が起きリポソームの一端より細長い膜チューブが形成される。膜の弾性理論に基づいた数値計算を行い,一定の大きさを持つビーズが膜を押すことが形態の不連続変化の要因であることを示した。

木下 専 原著論文 (2007年度)

Elias T. Spiliotis, Stephen J. Hunt, Qicong Hu, Makoto Kinoshita, and W. James Nelson
“Epithelial Polarity Requires Septin Coupling of Vesicle Transport to Polyglutamylated Microtubules”
Journal of Cell Biology, Vol. 180, 295-303 (2008)
【概要】細胞構造の対称性が破れて極性が形成される過程で、微小管(チューブリン重合体)に沿った選択的物質輸送が重要な役割を果たす。本論文ではグルタミン酸修飾されたチューブリンを含有する一部の微小管とセプチン重合体が細胞内で会合し、MAP4など他の微小管関連蛋白質を排除することによって微小管に沿った高速輸送を保証している可能性を示した。
Tomoko Tada, Alyson Simonetta, Matthew Batterton, Makoto Kinoshita, Dieter Edbauer, and Morgan Sheng
“Role of Septin Cytoskeleton in Spine Morphogenesis and Dendrite Development in Neurons”
Current Biology, Vol. 17, 1752-1758 (2007)
【概要】神経細胞の樹状突起棘は学習・記憶と密接に関与する構造実態として重要である。本論文では大脳皮質ニューロンにおいて樹状突起棘のくびれ~起始部の細胞膜直下にセプチン蛋白質重合体が高次集合することを示した上で、これらを枯渇させると樹状突起棘が不安定化、逆に過剰発現すると樹状突起棘が増大することを示した。これらは本領域で解析している脂質2重膜とセプチン重合体の相互作用の生物学的意義の一端を示すものである。

木下 専 総説解説 (2007年度)

M. Kinoshita and S. Takeda
“Connecting the Dots between Septins and the DNA Damage Checkpoint”
Cell, Vol. 130, 777-779 (2007)
【概要】細胞骨格系は自己集合性蛋白質とその重合体から成る多機能システムである。細胞の形状・剛性・極性を規定し、細胞内空間に特異場を与えるだけでなく、物質輸送路、細胞の変形・移動・分裂のための機械的な力の発生装置でもある。本論文は、セプチン重合体の異常がDNA損傷修復機構とクロストークして細胞増殖停止に至る新たな現象を発見したKremerらの論文の解説記事である。