福田順一 原著論文(2010年度)
Jun-ichi Fukuda and Slobodan Zumer
“Quasi Two-dimensional Skyrmion Lattices in a Chiral Nematic Liquid Crystal”
Nature Communications, 2: 246 doi:10.1038/ncomms1250 (2011)
【概要】コレステリックブルー相をバルクで示す液晶を非常に薄いセルに閉じ込めた際に生じる秩序構造について,ランダウード・ジャン理論に基づく数値計算を行なった.その結果,ある温度範囲,セル厚の範囲において,スキルミオンと呼ばれるトポロジカルな励起構造がヘキサゴナルな格子を組むことがわかった.この結果は,核子のモデル,2次元電子気体,あるいはボーズアインシュタイン凝縮体といった幅広い系で見られる構造と類似している.
“Quasi Two-dimensional Skyrmion Lattices in a Chiral Nematic Liquid Crystal”
Nature Communications, 2: 246 doi:10.1038/ncomms1250 (2011)
【概要】コレステリックブルー相をバルクで示す液晶を非常に薄いセルに閉じ込めた際に生じる秩序構造について,ランダウード・ジャン理論に基づく数値計算を行なった.その結果,ある温度範囲,セル厚の範囲において,スキルミオンと呼ばれるトポロジカルな励起構造がヘキサゴナルな格子を組むことがわかった.この結果は,核子のモデル,2次元電子気体,あるいはボーズアインシュタイン凝縮体といった幅広い系で見られる構造と類似している.
Jun-ichi Fukuda and Slobodan Zumer
“Ring Defects in a Strongly Confined Chiral Liquid Crystal”
Phys. Rev. Lett., Vol. 106, 097801-1 – 097801-4 (2011)
【概要】強いキラリティを持った液晶を薄いセルに閉じ込めることにより生じる液晶の配向,欠陥構造について議論している.2枚のセル表面が同じ方向に平行配向を課す場合,セル厚がコレステリックピッチに対して不整合のとき,セル表面の配向とコレステリック配向との間にフラストレーションが生じ,その結果としてこれまでの液晶研究では見られなかった環状の線欠陥が規則的に配置する構造が生じることを,数値計算により明らかにした.
“Ring Defects in a Strongly Confined Chiral Liquid Crystal”
Phys. Rev. Lett., Vol. 106, 097801-1 – 097801-4 (2011)
【概要】強いキラリティを持った液晶を薄いセルに閉じ込めることにより生じる液晶の配向,欠陥構造について議論している.2枚のセル表面が同じ方向に平行配向を課す場合,セル厚がコレステリックピッチに対して不整合のとき,セル表面の配向とコレステリック配向との間にフラストレーションが生じ,その結果としてこれまでの液晶研究では見られなかった環状の線欠陥が規則的に配置する構造が生じることを,数値計算により明らかにした.
Mohammad Reza Mozaffari, Mehrtash Babadi, Jun-ichi Fukuda, and Mohammad Reza Ejtehadi
“Interaction of Spherical Colloidal Particles in Nematic Media with Degenerate Planar Anchoring”
Soft Matter, Vol. 7, 1107-1113 (2011)
【概要】液晶中に分散した2つのコロイド粒子間の相互作用を,有限要素法に基づいた数値計算によって調べた.ここで着目しているのは,粒子表面で強い水平アンカリングを示す場合である.この場合は粒子表面に2つの欠陥が生じ,粒子同士は四重極子型の相互作用を示すことが解析的議論から予測されている.しかし粒子間距離が小さい場合は,表面欠陥が動くことによってエネルギーを緩和することにより,解析的議論による予想と全く異なる挙動を相互作用ポテンシャルが示すことを明らかにした.このような振る舞いは実験事実をうまく説明できるものである.
“Interaction of Spherical Colloidal Particles in Nematic Media with Degenerate Planar Anchoring”
Soft Matter, Vol. 7, 1107-1113 (2011)
【概要】液晶中に分散した2つのコロイド粒子間の相互作用を,有限要素法に基づいた数値計算によって調べた.ここで着目しているのは,粒子表面で強い水平アンカリングを示す場合である.この場合は粒子表面に2つの欠陥が生じ,粒子同士は四重極子型の相互作用を示すことが解析的議論から予測されている.しかし粒子間距離が小さい場合は,表面欠陥が動くことによってエネルギーを緩和することにより,解析的議論による予想と全く異なる挙動を相互作用ポテンシャルが示すことを明らかにした.このような振る舞いは実験事実をうまく説明できるものである.
Jun-ichi Fukuda
“Stabilization of a Blue Phase by a Guest Component: An Approach Based on a Landau-de Gennes Theory”
Phys. Rev. E, Vol. 82, 061702-1 – 061702-5 (2010)
【概要】高分子などのゲスト成分を導入することにより,コレステリックブルー相が安定化される,すなわち温度範囲が広がることが知られている.この安定化は,ゲスト成分がブルー相の欠陥のところに局在することで,自由エネルギー密度の高い欠陥の部分が実質的になくなることに由来すると考えられている.本論文では,Landau-de Gennes理論を用いた数値計算により,この推論の妥当性を定量的に調べ,事実少量のゲスト成分によりブルー相が安定である温度範囲が著しく広がることを明らかにした.(米谷慎:議論)
“Stabilization of a Blue Phase by a Guest Component: An Approach Based on a Landau-de Gennes Theory”
Phys. Rev. E, Vol. 82, 061702-1 – 061702-5 (2010)
【概要】高分子などのゲスト成分を導入することにより,コレステリックブルー相が安定化される,すなわち温度範囲が広がることが知られている.この安定化は,ゲスト成分がブルー相の欠陥のところに局在することで,自由エネルギー密度の高い欠陥の部分が実質的になくなることに由来すると考えられている.本論文では,Landau-de Gennes理論を用いた数値計算により,この推論の妥当性を定量的に調べ,事実少量のゲスト成分によりブルー相が安定である温度範囲が著しく広がることを明らかにした.(米谷慎:議論)
Jun-ichi Fukuda and Slobodan Zumer
“Cholesteric Blue Phases: Effect of Strong Confinement”
Liq. Cryst., Vol. 37, 875-882 (2010)
【概要】コレステリックブルー相がバルクでは最安定な状況で,液晶が薄いセルに閉じ込められた時にどのような秩序構造を取るかを数値計算により調べた.これまでの液晶研究では発見されたことのない秩序構造が,液晶の位相欠陥によって形成される可能性があることを明らかにした(Alfred Saupe教授追悼号におけるInvited Paper).
“Cholesteric Blue Phases: Effect of Strong Confinement”
Liq. Cryst., Vol. 37, 875-882 (2010)
【概要】コレステリックブルー相がバルクでは最安定な状況で,液晶が薄いセルに閉じ込められた時にどのような秩序構造を取るかを数値計算により調べた.これまでの液晶研究では発見されたことのない秩序構造が,液晶の位相欠陥によって形成される可能性があることを明らかにした(Alfred Saupe教授追悼号におけるInvited Paper).
Jun-ichi Fukuda
“Continuous Transformation of a – 1/2 Wedge Disclination Line to a +1/2 One”
Phys. Rev. E, Vol. 81, 040701(R)-1 – 040701(R)-4 (2010)
【概要】液晶のコレステリックブルー相の位相欠陥について,電場を印加すると,-1/2のチャージを持つ wedge disclination が +1/2のチャージを持つものに連続的に転移しうることを数値的に見いだした.これまで-1/2のと+1/2のwedge disclinationは3次元系ではトポロジー的に等価であることがわかっていたが,これらの欠陥の間での連続的な転移が実際に可能であることを明らかにしたおそらく最初の例である.
“Continuous Transformation of a – 1/2 Wedge Disclination Line to a +1/2 One”
Phys. Rev. E, Vol. 81, 040701(R)-1 – 040701(R)-4 (2010)
【概要】液晶のコレステリックブルー相の位相欠陥について,電場を印加すると,-1/2のチャージを持つ wedge disclination が +1/2のチャージを持つものに連続的に転移しうることを数値的に見いだした.これまで-1/2のと+1/2のwedge disclinationは3次元系ではトポロジー的に等価であることがわかっていたが,これらの欠陥の間での連続的な転移が実際に可能であることを明らかにしたおそらく最初の例である.
