陣内浩司 原著論文(2010年度)
Toshihiko Ito, Ukyo Matsuwaki, Yuji Otsuka, Masahiro Hatta, Katsuichiro Hayakawa, Koichi Matsutani, Tomoyuki Tada and Hiroshi Jinnai
“Three-Dimensional Spatial Distributions of Pt Catalyst Nanoparticles on Carbon Substrates in Polymer Electrolyte Fuel Cells”
Electrochemistry, in press (2011)
【概要】白金粒子と炭素担持体からなる燃料電池電極(FCE)は、燃料電池の性能の鍵を握る重要な要素である。燃料電池の実用化を阻んでいる最大の問題の一つは、電極の劣化である。劣化機構の解明のためには、電極の詳細な構造観察が必要であり、本研究では電子線トモグラフィー法によりFCEの3次元構造を観察した。その結果、一部の白金ナノ粒子は炭素担持体の内部に存在することが分かった。観察したFCEの電気化学特性を考慮に入れると、この結果は、炭素担持体の内部に存在する白金粒子が触媒反応を持たないという従来の常識を覆す可能性を示唆している。
“Three-Dimensional Spatial Distributions of Pt Catalyst Nanoparticles on Carbon Substrates in Polymer Electrolyte Fuel Cells”
Electrochemistry, in press (2011)
【概要】白金粒子と炭素担持体からなる燃料電池電極(FCE)は、燃料電池の性能の鍵を握る重要な要素である。燃料電池の実用化を阻んでいる最大の問題の一つは、電極の劣化である。劣化機構の解明のためには、電極の詳細な構造観察が必要であり、本研究では電子線トモグラフィー法によりFCEの3次元構造を観察した。その結果、一部の白金ナノ粒子は炭素担持体の内部に存在することが分かった。観察したFCEの電気化学特性を考慮に入れると、この結果は、炭素担持体の内部に存在する白金粒子が触媒反応を持たないという従来の常識を覆す可能性を示唆している。
Hiroshi Morita, Hidekazu Sugimori, Masao Doi and Hiroshi Jinnai
“Single Chain Distribution Analysis Near a Substrate Using a Combined Method of Three-Dimensional Imaging and SCF Simulation”
Eur. Polymer J., in press (2011)
【概要】ブロック共重合体薄膜における基板表面でのブロック鎖の選択的吸着(wetting)について、電子線トモグラフィー法による3次元ナノイメージングと最新の計算機シミュレーション法を用いて分子レベルから検討した。その結果、基板付近のブロック鎖はガウス鎖状態に比べて圧縮されているが、ミクロ相分離構造の周期長に相当するだけ(基板から)離れるだけでバルク状態と同じ慣性半径を示すことが分かった。
“Single Chain Distribution Analysis Near a Substrate Using a Combined Method of Three-Dimensional Imaging and SCF Simulation”
Eur. Polymer J., in press (2011)
【概要】ブロック共重合体薄膜における基板表面でのブロック鎖の選択的吸着(wetting)について、電子線トモグラフィー法による3次元ナノイメージングと最新の計算機シミュレーション法を用いて分子レベルから検討した。その結果、基板付近のブロック鎖はガウス鎖状態に比べて圧縮されているが、ミクロ相分離構造の周期長に相当するだけ(基板から)離れるだけでバルク状態と同じ慣性半径を示すことが分かった。
Hiroyasu Matsugnaga, Hiroki Ogawa, Takumi Takano, Sono Sasaki, Shunji Goto, Takashi Tanaka, Takamitsu Seike, Sunao Takahashi, Kunikazu Takeshita, Nobuteru Nariyama, Haruhiko Ohashi, Toru Ohata, Yukito Furukawa, Tomohiro Matsushita, Yasuhide Ishizawa, Naoto Yagi, Masaki Takata, Hideo Kitamura, Kazuo Sakurai, Kohji Tashiro, Atsushi Takahara, Yoshiyuki Amamiya, Kazuyuki Horie, Mikihito Takenaka, Toshiji Kanaya, Hiroshi Jinnai, Hiroshi Okuda, Isamu Akiba, Isao Takahashi, Katsuhiro Yamamoto, Masamichi Hikosaka, Shinichi Sakurai, Yuya Shinohara, Akihiko Okada and Yasunori Sugihara
“Multipurpose Softmaterial SAXS/WAXS/GISAXS Beamline at SPring-8”
Polym. J., in press (2011)
【概要】ソフトマテリアルの科学的・産業的研究には、詳細な構造解析が必須である。ソフトマテリアル研究に特化したビームラインをSPring8に建設した。本研究は、BL03XUに装備されたソフトマテリアル研究用のX線散乱装置の詳細について述べたものである。
“Multipurpose Softmaterial SAXS/WAXS/GISAXS Beamline at SPring-8”
Polym. J., in press (2011)
【概要】ソフトマテリアルの科学的・産業的研究には、詳細な構造解析が必須である。ソフトマテリアル研究に特化したビームラインをSPring8に建設した。本研究は、BL03XUに装備されたソフトマテリアル研究用のX線散乱装置の詳細について述べたものである。
Takeshi Higuchi, Kiwamu Motoyoshi, Hidekazu Sugimori, Hiroshi Jinnai, Hiroshi Yabu, and Masatsugu Shimomura
“Phase Transition and Phase Transformation in Block Copolymer Nanoparticles”
Macromol. Rapid Comm., Vol. 31, 1773-1778 (2010)
【概要】良溶媒/貧溶媒混合溶媒からの蒸発過程を制御することにより、ブロック共重合体ナノ粒子を作製した。温度の違いにより、無秩序・方向性のないラメラ相・同心円状(タマネギ状)の構造が得られた。これらのナノ粒子を加熱することにより、ナノ粒子の内部で秩序-無秩序転移(ODT)や秩序-秩序転移(OOT)を引き起こすことができる。興味深いことは、加熱温度がブロック鎖のガラス転移温度よりも低い温度でさえも上記の構造転移が起こることで、これは、ナノ粒子という制限された空間では系のガラス温度が低くなっていることを示唆するものである。
“Phase Transition and Phase Transformation in Block Copolymer Nanoparticles”
Macromol. Rapid Comm., Vol. 31, 1773-1778 (2010)
【概要】良溶媒/貧溶媒混合溶媒からの蒸発過程を制御することにより、ブロック共重合体ナノ粒子を作製した。温度の違いにより、無秩序・方向性のないラメラ相・同心円状(タマネギ状)の構造が得られた。これらのナノ粒子を加熱することにより、ナノ粒子の内部で秩序-無秩序転移(ODT)や秩序-秩序転移(OOT)を引き起こすことができる。興味深いことは、加熱温度がブロック鎖のガラス転移温度よりも低い温度でさえも上記の構造転移が起こることで、これは、ナノ粒子という制限された空間では系のガラス温度が低くなっていることを示唆するものである。
Le Li, Kazuyuki Matsunaga, Jintao Zhu, Takeshi Higuchi, Hiroshi Yabu, Masatsugu Shimomura, Hiroshi Jinnai, Ryan C. Hayward, and Thomas P. Russell
“Solvent-Driven Evolution of Block Copolymer Morphology under 3D Confinement”
Macromolecules, Vol. 43, 7807-7812 (2010)
【概要】(バルクではラメラ構造を形成する)Poly(styrene-block-isoprene)ブロック共重合体において、THF/水混合溶媒からの析出過程を制御することで、同心の層状ミクロ相分離構造を内包するナノ粒子を作製した。さらに、このナノ粒子内部の相分離構造の良溶媒による構造変化過程を電子線トモグラフィー法による3次元可視化により調べた。その結果、同心円状ラメラ構造→PIシリンダー/PSマトリクス→PS-core-PI-shell球/PSマトリクスへと構造が変化していく様子を捕らえることができた。特に最後のPS-core-PI-shell球/PSマトリクス構造は今までに観察されたことのない特異なナノ構造である。
“Solvent-Driven Evolution of Block Copolymer Morphology under 3D Confinement”
Macromolecules, Vol. 43, 7807-7812 (2010)
【概要】(バルクではラメラ構造を形成する)Poly(styrene-block-isoprene)ブロック共重合体において、THF/水混合溶媒からの析出過程を制御することで、同心の層状ミクロ相分離構造を内包するナノ粒子を作製した。さらに、このナノ粒子内部の相分離構造の良溶媒による構造変化過程を電子線トモグラフィー法による3次元可視化により調べた。その結果、同心円状ラメラ構造→PIシリンダー/PSマトリクス→PS-core-PI-shell球/PSマトリクスへと構造が変化していく様子を捕らえることができた。特に最後のPS-core-PI-shell球/PSマトリクス構造は今までに観察されたことのない特異なナノ構造である。
Sohei Motoki, Takeshi Kaneko, Yoshitaka Aoyama, Hideo Nishioka, Yoshihiro Okura, Yukihito Kondo, and Hiroshi Jinnai
“Dependence of Beam Broadening on Detection Angle in Scanning Transmission Electron Microtomography”
J. Electron. Microsc., Vol. 59, S45-S53 (2010)
【概要】走査型電子線トモグラフィー法において、長焦点光学系を実現することにより厚み1μmのABS樹脂の3次元観察に成功した。しかし、3次元像を詳細に観察すると、試料の表面から離れるに従ってスライス増がボケる現象が見られた。この傾向は、ディテクターの散乱角を大きくするほど顕著であり、電子の多重散乱に起因すると思われる。
“Dependence of Beam Broadening on Detection Angle in Scanning Transmission Electron Microtomography”
J. Electron. Microsc., Vol. 59, S45-S53 (2010)
【概要】走査型電子線トモグラフィー法において、長焦点光学系を実現することにより厚み1μmのABS樹脂の3次元観察に成功した。しかし、3次元像を詳細に観察すると、試料の表面から離れるに従ってスライス増がボケる現象が見られた。この傾向は、ディテクターの散乱角を大きくするほど顕著であり、電子の多重散乱に起因すると思われる。
Jueun Jung, Hae-Woong Park, Sekyung Lee, Hyojoon Lee, Taihyun Chang, Kazuyuki Matsunaga, and Hiroshi Jinnai
“Effect of Film Thickness on the Phase Behaviors of Diblock Copolymer Thin Film”
ACS Nano, Vol. 4, 3109-3116 (2010)
【概要】Polysturene-block-polyisopreneブロック共重合体の相挙動について、斜入射X線散乱法と電子線トモグラフィー法により研究した。相挙動の研究における温度変化「その場」観察では、複数の異なる相分離構造が混在し、相図の決定が困難である。本研究では、系を一度相溶状態にもたらし、温度ジャンプ法で特定の温度に落とすことで、上記のような複雑さを取り除いた。その結果、試料の厚みが相挙動に大きな影響を与えることを見いだした。試料の厚みが薄くなるにつれて、穴あきラメラ相や六方格子シリンダー相の占める温度範囲が大きくなり、逆に共連続相のそれが小さくなると言う結果を得た。
“Effect of Film Thickness on the Phase Behaviors of Diblock Copolymer Thin Film”
ACS Nano, Vol. 4, 3109-3116 (2010)
【概要】Polysturene-block-polyisopreneブロック共重合体の相挙動について、斜入射X線散乱法と電子線トモグラフィー法により研究した。相挙動の研究における温度変化「その場」観察では、複数の異なる相分離構造が混在し、相図の決定が困難である。本研究では、系を一度相溶状態にもたらし、温度ジャンプ法で特定の温度に落とすことで、上記のような複雑さを取り除いた。その結果、試料の厚みが相挙動に大きな影響を与えることを見いだした。試料の厚みが薄くなるにつれて、穴あきラメラ相や六方格子シリンダー相の占める温度範囲が大きくなり、逆に共連続相のそれが小さくなると言う結果を得た。
