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研究概要

本領域研究の目的

ソフトマターとは高分子、液晶、両親媒性分子、コロイド、エマルション、生体物質などの柔らかい物質群に対する総称である。ソフトマターは食品、化粧品、電子製品などで使われており、我々の日常生活において欠かせない物質である。

本研究の目的は、流動場、電場、磁場、力学場、光などの外的刺激に対する柔らかい分子集団の構造形成と、それによってもたらされる非平衡状態を解明することである。

そのために実験・理論・計算機シミュレーションを用い たメソスコピック系の構造とダイナミクスの基礎的研究を行う。

本領域研究の内容

  • 実験的手法とシミュレーションなどの理論的手法に基づき、分子ダイナミクスと構造形成のダイナミクスのカップリングの詳細を明らかにする。
  • ソフトマターのメソスコピック構造に外から刺激を加えたときに観察される、様々な秩序構造相転移のダイナミクスを解明し、メソスコピック構造制御の新しい方法論の確立をめざす。
  • ソフトマターが非平衡状態下で発現する非線形応答や時空間構造、非平衡ゆらぎを実験で検証・測定するとともに、メソスケールの構造変化とゆらぎを取り入れた理論構築を行うことによって、階層をまたぐ非平衡構造形成のメカニズムを解明する。
  • 実験グループおよび理論グループとの共同研究により、それぞれの問題に最適な理論的解析手法とシミュレーションモデルを構築する。

期待される成果

  • ソフトマター物理学と非平衡物理学の融合的研究により、非平衡ソフトマター物理学という新しい学問分野が創成される。
  • ミクロとマクロの中間の長さをもつメソスコピック系の諸性質を解明することはその構造の効率的かつ能動的な制御につながり、21世紀の様々な産業に資することが期待される。